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特養なごみ施設長に就任して

2014年5月

 まずは、挨拶と自己紹介をさせていただきたいと思います。

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 この4月より同法人の障がい通所事業の「オガリ作業所」の施設長から異動になり、「特養なごみ」の施設長に就任しました金光建二と申します。以後、お見知りおきをお願い致します。

 私は、他の法人の児童養護施設、知的障害者通所施設(生活介護)を経て、6年前にライフサポート協会に就職しました。経験も買われてか「オガリ作業所」に配属になり、現場から副主任・主任を経て3年前に施設長になりました。

 当時は「大領地域の家であい」の立ち上げも重なり、何かわからないままに時間が経った感じでしたが、日常の事業運営や通所事業の拡大に関しては、利用者さんに対して大過なく対応できたかと思います。

 しかし、利用者さんの状況は私が在籍した6年間でも大きく変わってきました。ご本人の高齢化にともない、ご家族の高齢化が表面化し、主だった介護者であった母親がご逝去される方が何人か続きました。

 そのこともあって利用者の生活全般を支える必要性を強く感じ、担当は通所支援でしたが、利用者への支援に対する視点も、より毎日の、そして将来のその方の生活の在り方に目を向けたものへと変わっていきました。

 利用者さんの人数も増え、障がいの状況も多様化し、個別支援にも力を注いできたので、職員の業務も多様化し量も増えました。そんな中でも職員がそれぞれの利用者を支えていく必要性を強く感じ、利用者に対して真摯に向き合い意義を感じて仕事をしてくれていたと思います。少しでも利用者さんの多くの笑顔を感じることを糧に頑張ってくれていたことに「ありがとう」と言いたいと思います。

 実際の業務に対しての報酬が妥当とは言えないかもしれませんが、その業務の「質」について考えると単なる労働条件だけが就労意欲を維持向上させるのではなく、「自分のしている業務の意義」を自分の中で見出しながら仕事ができているかによってモチベーションの高さが変わるのではないかと感じています。

それは職員も個々によって違うので、もちろんアプローチの仕方も変えましたが、みんなが共通認識として持っている法人の理念「すべての人が尊敬される社会の実現」のために考えて仕事をしてくれていたと自負しています。

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 そして、それはここ「特養なごみ」にきても同じものを感じました。私の今までの特養のイメージは認知症の方が多く占めることもあり、どこか出入りに制限がかかり、開かれてはいるものの、生活感がない感じがしていましたが、フロアの作りも関係しているかもしれませんがアットホームな感じがあり、職員と入居者の方との関わりを見ても、入居者の方がそのやりとりをとても楽しそうにされている感じがしました。支援の方法についてはいろいろ変えていくところはあるにしても、同じ理念のもと、入居者さんに対して、どうすれば日々楽しい生活を送ってもらえるかを考えて支援をしてくれています。入居者の方やご家族の方も職員の業務や姿勢のご理解をいただけているがゆえの関係性も感じています。ただ、あまり他の部門や地域と関わる機会が少なかったこともあり、周りの資源をうまく使えてないのも現状です。

 ちょうど先日老人福祉部会の総会があり、「採用力up」についての講演がありました。その中で「活躍施設長の要件」というのがあり、そこでは「施設という家のお母さん」の役割が求められているという話がされていました。「入居者やスタッフの想いや気持ちを大切にして受け容れる」ことと施設運営のために「言うべき必要なことはしっかり伝える」ことの両者をバランスよく両立させるマネジメントが求められるからだと。また、もう一つの要件として「サービスや事業に対する想いやこだわりの強さ」がスタッフへの働きかけを変えるとのこと。その二つの要件は図らずともオガリの施設長の時から強く意識していたものなので、特養でもその意識を持っていきたいと思います。

 これからの私の役割は、他部署での経験を活かしたうえで、入居者の方にさらにいい支援ができるようにどう変えていったらいいかを投げかけ、職員と一緒に考えていくことだと思っています。職員の視野が拡がれば、それだけ支援の幅も拡がり、今よりももっと入居者の方に満足していただける「特養なごみ」になっていけるのではないかと思います。

 私自身も高齢の方と関わり、今までの利用者の方との関わりで得た経験を活かせるときとそうでない時があります。現場の職員の関わりを観て改めて勉強することもあります。

 特にいま感じているのは、その方一人ひとりの人生の深さ。お話をされる中で端々にでてくる事柄やご家族のことは、その方のバックグラウンドを随所に散りばめ、心のうちにある想いを訴えてくれているように感じられ、とても感慨深くなってしまいます。

 これは人生の先達であるがゆえにできることだと、いまさらながらに尊敬の意を持ちながら関わることができる喜びを感じています。

 障がいがあろうが、高齢であろうが、子どもであろうがその人ひとりひとりの存在を敬い、大切に思いながら関わることが大事だと改めて感じながら、そのことを忘れずにいきたいと思います。

 今後とも、よろしくお願いします。(施設長 金光建二)

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