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コラム「夢を抱いて」

縮んでいく日本の進む道

2024年3月

ライフサポート協会 理事長 村田 進

 昨年4月に発表された国立人口問題研究所の報告によりますと、日本は急速に人口減少社会に突入しつつあるといわれています。

 2020年から2050年の30年間で東京以外のすべての道府県で人口が減少し、市町村で見ると96%の自治体の人口が減少し、うち6割が30%を超す減少となるとしています。「労働人口」といわれる15〜64歳の人口は、2020年の7509万人から2050年に6000万人を割り込み(2割減)2070年には4535万人と、6割に落ち込むとされています。高齢化は大都市部で進みますが、7割の市町村では高齢者の減少も進むと予想されています。2070年の総人口は9000万人で、1955年頃とほぼ同じ程度になるとみられています。歴史上経験したことのない急速な縮小社会です。

 一方、国土交通省が発表している「社会資本の現状と将来予測」によりますと、「高度成長期に整備された道路端、トンネル、河川、下水道、港湾等について、今後20年で建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高く」なるとしています。
  2040年の段階で建設後50年を経過する道路や橋の割合が75%、港湾が66%、トンネルが53%、水門等が38%、下水道管が35%に達するということです。
 国も地方自治体も財政運営が厳しく、これらの更新ニーズに応えるのは絶望的です。

 人口が減るということは、第1に労働力の減少で社会経済を回せなくなり。第2に社会消費の力が減少し、経済の低迷につながります。増大する社会資本の更新課題も合わせると、行政施策の非効率化が進み、自治体機能が維持できなくなる等の大きな社会的危機が予測されます。このような未来の危機を打開するには、これまでの発想を大胆に転換して新しい社会のあり方を真剣に議論する必要があります。

 外国人材の活用や高齢者・障がい者等これまで雇用につながっていかなかった人々を受け入れる労働環境を整備することで、わずかながらも労働力の減少を補う道があります。同時に、AIを含むICTなど活用で機械化と労働時間の短縮化を進め、限られた労働人材を社会的に不可欠な分野に適正配置していくことが必要です。とりわけ対人援助に係るエッセンシャルワーカーの人材を確保することは社会の安定・安心にとって必要不可欠です。

 都市部に人口が集中するのは、仕事と情報、社会資源が集中しているからで、コロナ禍で明らかになったように、ICT等の活用で働き方や情報アクセスの多様化が可能となっています。
  ICTの積極活用で都市部から周辺地域への移住を促進し、就業後や休日を自然環境の中でゆったりと過ごす豊かなライフスタイルを広げること。行政・医療・福祉等のサービス資源を集約化し自治体のコンパクト化を進めることも必要です。

 まだまだ沢山の課題がありますが、残された時間はあまりありません。
 国民的な議論を直ちに起こして、社会の危機に対応する時です。「裏金問題」も大事ですが、そろそろ日本の未来を語る政治集団が生まれてくれることを祈ります。